軽鉄下地で壁厚を自在に操る方法があります。

壁厚を自由に設定できると、下記のような能力が手に入ります。

  • 最小限の寸法設定を考えられる、省スペース、最大限の空間設計ができる。
  • 形の制限が少なくなる。自由な意匠ができ可能性が広がる。
  • 取合いの部材(枠、金物、木製品、家具、etc)との完璧な収まりを検討できる。
  • 現場で職人を説得しやすい、馬鹿にされない、人気者になれる
  • 収まりが悪いことによる作り直し作業がなくなりコストを削減できる。
  • わからないモヤモヤがなくなり、夜ぐっすり眠ることができお肌ツヤツヤになります。

このように、たくさんのメリットがあります。

では、寸法を操るために軽鉄下地材の種類(寸法)を見ていきましょう。

壁材  サイズ  概要・使用用途  使用頻度  JIS規格品

コの字型スタット(スペーサー振れ止併用する。)

 

 

間仕切壁部材、振れ止めによりスタットどうしが一体化するため、外部応力を面で分散することが出来る。

 

注:ランナーの幅は各寸法より2㎜大きいサイズの為、墨出し、収まり寸法に注意が必要です。

 

w45

間仕切り、フカシ壁

弊社では 巾45㎜の場合は角スタットを採用するケースが多いです。    

振れ止と併用できるため、面として強度を取りたい場合に使う 。

振れ止19型

なし 

w50

フカシ壁

公共建築工事で片面張りに使用(高さ2.7m以下)

振れ止19型

w65

一般的なビル、テナント、マンションにて間仕切壁に多く使用されている。

最も採用されるサイズ。

公共建築工事標準(高さ4.0m以下)

振れ止25型、38型

w75

耐火壁などで使用

w65とw90の中間的な存在の為あまり採用されない。

振れ止25型、38型

w90

公共建築工事標準で(高さ4.0m超え4.5m以下)

上記の高さの公共工事以外ではあまり採用されない。

振れ止25型、38型

w100

公共建築工事標準で(高さ4.5m超え5.0m以下)

高さ4.0mを超える壁ではw75、w90より採用されるケースが多い。

振れ止25型、38型

 

壁・天井材 呼称・サイズ 概要・使用用途 使用頻度

角スタット

SQスタット

 

壁、天井、梁型など使用用途が広い

 

注1:JIS規格品がない為、公共工事では設計者に承認をとる必要がある。

注2:ランナーの幅は各寸法より2㎜大きいサイズの為、墨出し、収まり寸法に注意が必要です。

4020

20x40

フカシ壁や有効寸法寸法をとるための厚み調整として多用されている。

2m程度の長さでも押すとたわみを生じるため、補強が必要

4025

25x40

フカシ壁や有効寸法寸法をとるための厚み調整として多用されている。

2m程度の長さでも押すとたわみを生じるため、補強が必要。

4040

40x40

フカシ壁や有効寸法寸法をとるための厚み調整として使用されている。

巾40㎜ は4045を横にして使用出来るため、あえて4040を使用するのは寸法の組み合わせをつくる必要が場合のみ採用している。

4045

45x40

軽鉄工事現場で1,2番を争うほど多く使用されている。壁でも天井でも使用るため、

天井高が2.7m程度までのマンションの壁

巾3.5m程度までの天井(中間に垂れ止が必要)

梁型、ダクト囲い、役物形状など強度と寸法のバランスが良く、施工勝手が良い。

4050

50x40

有効寸法寸法をとるための厚み調整、寸法の組み合わせをつくる必要がある場合にのみ使用されている。

 

4565

65x45

コの字型W65の代わりにテナント、マンション等で採用される。

スペーサーを取り付ける手間が省けるために好む職人も多い。

搬入時・仮置き時にコの字型部材の2倍の容量となるため、スペースがない場所や搬入を省力化したい現場には適さない。

 

4590、45100 などもあるが、

メーカー倉庫に常備されていなかったりするため、納品を短縮したい、コストを抑えたい場合には適さない。

 

上記のように沢山寸法があって、どう使ったらよいか迷う方もいるかもしれませんが、

まずは使用頻度「高」の部材を基準に検討し、収まり寸法次第で前後の寸法値の部材を検討すると良いでしょう。

 

一番早く、簡単、なのは気の利く軽鉄屋さんに相談することですけどね。

 

天井部材も色々あるのでそれは次の機会で!